PLAYWORKS INTERN INTERVIEW  12|髙倉 由圭

PLAYWORKS インターンインタビュー 12 高倉由圭 誰もが当たり前に使えるデザインを。

PLAYWORKSのインターンはクライアントワークやプロジェクトに関わるなかで、インクルーシブデザイン・サービスデザイン・ワークショップデザインについて学んでいます。今回は2024年4月からインターンとして活動している、髙倉由佳のインタビューをお送りします!

 

髙倉 由圭  TAKAKURA YUKA

同志社女子大学大学院 文学研究科 情報文化専攻 1年
関西在住。高校時代に生徒会副会長として部活紹介動画を制作。その経験から物づくりに興味を抱き、駅の改札を多様な人々が使っている光景に衝撃を受けたことをきっかけに、人が機械・システム・サービスとやり取りするための接点である「ヒューマンインターフェース」の道へ進む。大学では音声対話による操作の研究に取り組み、学会で優秀ポスター賞を受賞。現在は大学院でAIを活用した製品の操作設計に関する研究に取り組んでいる。「物事の目的を意識する」ことを心がけており、映画鑑賞とキャンプが趣味。

左:髙倉由圭 右:インタビュアー 大崎博之

 

まずは髙倉さんのことを簡単に教えてください

現在は大学院で、AI技術を活用したヒューマンインタフェースの研究をしています。

物づくりに興味を持ったきっかけは、高校生のときに生徒会副会長として部活紹介動画を制作したことです。私の高校は、県内では珍しい部活があるなど部活動が盛んだったので、生徒会として中学生に学校をPRする際の大きな強みになると考えていました。ただ、オープンスクールの日に試合がある部活や、明確な活動日がない部活もあり、十分にアピールしきれていないという課題に直面していたんです。そこで、各部活動に協力してもらい、紹介動画を作ることにしました。動画を作るなかで、一人では作り上げられないようなものを、校内のさまざまな人と協力して形にしたことが大きな経験となりました。

そして、実際に動画を観た中学生たちの表情がぱっと明るくなったことが、強く心に残ったんです。人に良い影響を与えられるものを自分が作れたという驚きと喜びが、いまでも忘れられなくて。一方で、関係者それぞれの立場を考えて一つのものを作ることが、どれほど大変かも実感しました。

そんな経験をした帰り道、いつも使っている最寄り駅で改札を見て、ふとそのスゴさに気づきました。さまざまな体格・性別・国籍の人たちが、当たり前のように改札を使っている。自分は校内にいる人の立場を考えるだけで精一杯だったのに、これだけ多様な人が使えるものが存在しているんだと。「きっと誰でも使えるように考えられた物づくりの手法があるはずだ」と感じ、多様な人々が当たり前に使えるものを作りたいという想いが芽生えました。

それまでは物理学が好きで、特に力学に興味があり基礎研究の道を考えていました。でも、もっと応用的に人のことを考えたものづくりをしたいと思うようになり、ヒューマンインタフェースを研究できる今の大学のゼミに進むことを決めました。

 

PLAYWORKSでインターンをはじめたきっかけは?

祖母の介護を経験したことがきっかけで、インクルーシブデザインに関心を持つようになりました。

大学でヒューマンインタフェースを研究しながら祖母の介護にも関わっていたのですが、老化や病気によって、それまで使えていた生活用品が使えなくなっていく様子を目の当たりにして、つらい気持ちを抱くようになりました。道具をより使いやすくしようと研究している一方で、目の前で道具が使えず、気持ちが折れていく祖母の姿を見ることが本当につらかったんです。

「自分が学んでいる学問は、全然役に立っていないじゃないか」と、自分自身に対する怒りすら感じていました。

そんななか、AIの技術が発展してきて、より多様な人にとってさまざまな道具を使いやすくできる可能性が見えてきました。そこで、音声対話による操作の研究に取り組むことにしたんです。調理家電を対象に、AIを使った音声対話で操作できるようになったら、ユーザーは何をどう操作したいと思うのか、どんな効果を感じるのかを実験で明らかにする研究でした。その研究で学会に参加し、優秀ポスター賞もいただくことができました。

優秀ポスター賞を受賞した際の様子

 

さらに、日常生活でも印象的な出来事がありました。近所のショッピングモールが改装され、トイレの一室がショッピングカートを押したまま入れるように広くなっていたんです。祖母は足腰が弱く、トイレまで付き添いが必要でしたが、多目的トイレは「高齢者向け」という印象があるようで嫌がっていました。でもその広いトイレなら、カートを押して一人で入れる。「高齢者向け」という見た目ではないけれど、結果的に高齢者も助かるデザインに、すごく感動したんです。

こういった考え方にもとづいた製品がもっとあったら、祖母のような人にとっても使いやすいものができるんじゃないか。そう思って調べていくなかで出会ったのが、PLAYWORKSでした。学部3年生のときから興味を持っていましたが、住んでいる場所が関西であることや、デザインを学んでいるわけでもなかったので、一度は諦めていました。しかし大学院への進学を決めたことや、やっぱり社会に出る前にPLAYWORKSの実践するインクルーシブデザインを学びたい。そう考えて、インターンに応募しました。

 

PLAYWORKSでは具体的に何をしているのですか?

主に週1回、2時間のオンライン定例ミーティングに参加しています。代表のタキザワさんから企業とのプロジェクトやワークショップ、実証実験の進め方など、ビジネスの観点からのインクルーシブデザインへの取り組み方について学んでいます。

また、インターン活動として特に力を入れているのが、PLAYWORKSが運営するYouTubeコンテンツ「INCLUSIVE DESIGN Topic」の制作です。最初は動画制作に対して「PLAYWORKSという看板を背負って出すものだから、完璧でなければいけない」とハードルの高さを感じていました。でも、代表のタキザワさんから「とりあえず動画を出してみて、反応を見ながらブラッシュアップしていこう」と言っていただき、肩の力を抜いて実践的に学ぶ機会をいただくことができました。

関西圏でイベントやワークショップを実施するときはサポート業務を担当しています。「日本ライトハウス展」という視覚障害者向けの展示会イベントでは、見えない・見えづらい方への説明を初めて経験しました。これまでも、東京で開催されている視覚障害者向け総合イベント「サイトワールド」など、別のイベントにも参加していたので、他のインターン生の説明の仕方を見て学び、実際の対応に活かすことができました。

INCLUSIVE DESIGN Topic|今、注目したいインクルーシブデザイン まとめ
https://playworks-inclusivedesign.com/column/column-11039/

 

PLAYWORKSで印象に残っている活動や出来事は?

一番印象に残っているのは、定例ミーティングでのインクルーシブデザインの事例紹介です。定例会では、インターン生がそれぞれ気になった事例を持ち寄って紹介しています。全国各地の学校で学ぶインターン生が、それぞれの視点で選んできた事例を共有し合う時間は、毎回新しい発見があって本当に面白いんです。

さらに、持ち寄った事例に対してタキザワさんが、ビジネス的な観点でのコメントや進行中のプロジェクトと比較しながらフィードバックをくださるので、自分の視点がどんどん磨かれていきます。

この定例会での学びがあったからこそ、YouTubeコンテンツ「 INCLUSIVE DESIGN Topic」でも、「なぜこの事例を選んだのか?」「どこが良いと思ったのか?」という視点を大切にできています。ただ事例を紹介するだけではなく、それを選んだ理由まで共有すること。それが今も活動のなかで一番大事にしていることです。

 

インターンを通して得られたことは何ですか?

「ビジネスとしてインクルーシブデザインに取り組む」という視点が、一番の学びになっています。

タキザワさんの仕事を見ていると、さまざまなプロジェクトのなかで「ここはこだわって譲らない」という軸と、「ビジネスとして成立させる」バランスの取り方が柔軟です。線引きはとても難しいものですが、経営者でもありながらインクルーシブデザインを実践されている姿からは、いつも学びがあります。

また、タキザワさんが価格設定について話されていたことが印象に残っています。「福祉の領域だと価格を下げることが良いことだと思われがちだけれど、真にユーザーのことを考えると、価値を提供し続けること、会社が存続し続ける責任がある。そのためには提供価値の対価として、価格を設定することが大事」という内容でした。たしかに私も、福祉領域では安いことが良いというイメージを持っていました。でも、PLAYWORKSが事業を広げているのは、ビジネス視点をしっかり持っているからこそなんだと感じたんです。

一方で、タキザワさんは社会のためにやるべきと思ったことは、ビジネスを度外視してでもやり切るなど、大事にしている軸をぶらさない姿勢も持っていて、近くで見ていて学ぶことばかりです。

展示会イベントで来場者に説明する様子

 

PLAYWORKSはどんな会社ですか?

大きく二つの特徴があると思っています。一つは、インクルーシブデザインについて実践的に学べる会社であることです。

定例ミーティングのなかでも、「企業からこういう相談が来たけど、どうする?」といった実務にもとづいたテーマについて、インターン生だけでディスカッションする時間を取っていただいています。ワークショップや動画制作だけでなく、普段から私たちが学べる環境づくりを意識してくださっているのを感じます。

もう一つは、志の近いインターン生たちと出会えることです。私は関西に住んでいるので、関東のインターン生と直接会う機会は多くはありませんが、それでもイベントやプライベートで会う機会があると、同じ関心を持つ同世代の人たちとインクルーシブデザインについて話すことができるんです。そんな貴重な出会いがあることも、PLAYWORKSでインターンをする大きな意義だと感じています。

 

これから挑戦したいことは何ですか?

PLAYWORKSでの活動では、まず「INCLUSIVE DESIGN Topic」をより良くできるよう、もっと試行錯誤を重ねていきたいです。ちょうど最近2名のインターン生が新しく入ってきたところなので、それぞれの視点を活かして、みんなでより良いものを作っていきたいと思っています。たくさんのインターン生がいるからこそ、意見を活発に言い合える場づくりも大事にしたいです。

また個人の研究では、製品やサービスにAI技術が活用されるなかで、ユーザーの操作方法がより多様になると考えています。今まではアイコンを押したり、テキストを打って送信するといった操作方法が一般的でしたが、今後はAIのチャットボットのように、より自然な対話形式で操作できるようになるのではないでしょうか。そういった多様な操作方法を、ユーザーのパーソナリティや利用環境に基づいて組み合わせる指針をつくることを目指しています。現場のデザイナーや設計者の方が、これからAI技術を取り入れた製品やサービスを設計する際に、どのようなインタラクションを設計すればよいのか。その参考になる指針を作りたい、という思いで研究をしています。

私自身は、あと1年程度で大学院を修了して就職する予定です。就職した先でも、インクルーシブデザインを広められるような人になりたいです。まだ力不足だと感じていますが、タキザワさんの活動が後に続いていくような、自分が良いと思うものがずっと繋がっていくような力になれたらと思っています。

 

未来のPLAYWORKSインターン生に対してメッセージをどうぞ!

まず、関東の学生以外も、オンライン定例会議やイベントを通じて会社に関わり、たくさんのことが学べるとお伝えしたいです。

私が学部3年生のときにインクルーシブデザインに興味を持ちながらもインターンを諦めた理由の一つが、住んでいる場所でした。でも、最近は関西でのイベントやワークショップも増えていますし、インターン生チームでの活動は場所に関係なく参加できます。

PLAYWORKSの活動やデザインに少しでも「いいな」と思ったら、ぜひ飛び込んでみてほしいです。その気づきから、さらに広がっていく面白いことがたくさん見つかるはずです。

自分が目指すことや実現したいことに近づくために、デザインやビジネスの視点で何が必要なのか、ヒントをもらえる機会がきっとあります。ぜひ一緒にPLAYWORKSで新たな学びに出会いましょう!

 

 

PLAYWORKS INTERN INTERVIEW 11|小島 千佳

PLAYWORKS インターンインタビュー11 小島千佳 現場にある発見に、会いにいく。

 https://playworks-inclusivedesign.com/column/column-10868/

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