PLAYWORKS INTERN INTERVIEW 15|寺西 七海

PLAYWORKSのインターンは、クライアントワークやさまざまなプロジェクトに関わりながら、インクルーシブデザイン・サービスデザイン・ワークショップデザインについて学んでいます。
今回は、2025年9月からインターンとして活動している寺西七海さんのインタビューをお届けします!
寺西 七海 TERANISHI NANAMI
同志社女子大学 学芸学部 メディア創造学科 4年
ユーザーインターフェースを研究するゼミに所属し、ものの使いやすさについて学んでいる。卒業研究では、ライブにおける楽しみ方の多様性をテーマに、聴覚障害のある方へのインタビューにも取り組む。PLAYWORKSでは、事例調査やワークショップのサポート、リードユーザーの同行サポートなど幅広い活動に携わる。趣味は音楽。幼稚園でピアノを始め、中学・高校の吹奏楽部ではパーカッションを担当。現在も大学のジャズ部でドラムを演奏している。

寺西さんのことを教えてください
同志社女子大学メディア創造学科の4回生です。ユーザーインターフェースを研究する教授のゼミに所属し、ものの使いやすさについて学んでいます。音楽は幼稚園の頃にピアノを始めて以来、ずっと身近な存在でした。中学・高校の6年間は吹奏楽部でパーカッションを担当し、今は大学のジャズ部でドラムを叩いています。単独ではメロディーがほとんどないパートですが、みんなの音が重なって一つの曲になる瞬間が好きで、続けてきました。
ドラマや歌番組を見ることも好きで、進学先を選ぶ際には、音楽やテレビに関わることを学べる学科を探しました。将来やりたい仕事が明確に決まっていなかったので、映像制作を学べる芸術系の大学も見学しましたが、最終的にはテレビや音楽などを幅広く学べる今の大学を選びました。入学後は、撮影やプログラミング、番組制作などを経験しました。その後のゼミ選びでは、音楽に関われることと、ものの使いやすさを考える面白さの両方が決め手になりました。
ゼミの活動では、大阪・関西万博を訪れ、行列に並びやすくする工夫やチケットサイトの改善案などを検討しました。現在取り組んでいる卒業研究のテーマは、「ライブエンターテインメントにおける楽しみ方の多様性に関する研究」です。
ライブでは、出演者を見る人、演出を楽しむ人、ボーカルの声に集中する人など、注目するポイントが人によって異なります。研究では、コンサートによく足を運ぶ聴覚障害のある方にもお話を伺いました。そのなかで、ライブの楽しみ方は、聞こえるかどうかだけでなく、一人ひとりの関心によっても大きく異なることに気づきました。今は、より多くの人が楽しめるライブのあり方を提案できないかと、試行錯誤しています。

PLAYWORKSでインターンを始めたきっかけは?
インターンを始めたのは、大学3年生の9月です。春学期から卒業研究のテーマを考えていたのですが、そのときにふと思い出したのが、小学生の頃に気になっていた、ジャムの瓶に書かれた点字でした。この関心と音楽を組み合わせた研究ができないかとゼミの先輩に相談したところ、インクルーシブデザインに取り組むインターンがあると教えてもらいました。
それまでインクルーシブデザインについて詳しく知りませんでしたが、知らない分野だからこそ触れてみたいと感じました。卒業研究に生かせそうだったことに加え、社会人になると、自分の仕事以外で新しいことを学ぶ機会はそれほど多くないのではないかと思ったことも、参加を決めた理由です。
先輩から紹介してもらった後、Webサイトのフォームから応募し、代表のタキザワさんと面談しました。とても話しやすい雰囲気だったので、緊張もやわらぎました。インターンに参加してからも、年齢の近いメンバーが多く、ゼミの先輩もいたので、安心して活動を続けられています。
PLAYWORKSでは具体的に何をしているのですか?
主な活動は、週1回の定例会、企業向けワークショップのサポート、障害のあるリードユーザーとのフィールドワークや実証実験での同行サポートです。定例会はオンラインで開催され、毎回インクルーシブデザインに関するトピックをリサーチして紹介します。自分では知らなかった事例にたくさん出会えるので、楽しみながら取り組んでいます。
ワークショップで担当するのは、会場準備や写真撮影などです。視覚や聴覚に障害のあるリードユーザーと共創するワークショップで、参加者として加わることもあります。アイマスクをしてお菓子のパッケージを触れ、中身を当てたり、白杖を使って実際に歩いたりする体験を行いました。
同行サポートも、これまでに2回経験しています。1回目は、視覚や聴覚に障害のある方、車椅子を利用する方と一緒に街を歩き、どのような場面で移動のしにくさを感じるかを探る活動。2回目は、視覚に障害のある方が宿泊先から会場まで一人で移動することを想定した実証実験で、私は同行サポートを担当しました。

PLAYWORKSで印象に残っている活動や出来事は?
一番印象に残っているのは、初めて経験したリードユーザーの同行サポートです。車椅子を利用する方をサポートする役割で、2日間ご一緒しました。
街を歩くなかで、私自身も車椅子に乗せてもらったのですが、普段歩いているときには気にも留めなかった道の傾きに驚きました。雨が降ったときに水がたまらないよう、道は花壇のほうへわずかに傾いています。歩いていると気づかない程度の傾きでも、車椅子に乗ると、タイヤが花壇のほうへ持っていかれそうになるんです。歩道と車道の境目にある段差も、体にそのまま衝撃が伝わってきました。
ご一緒した方はバスケットボールの経験があり、車椅子の操作にも慣れている様子でした。「慣れた」ともおっしゃっていました。でも、私にとっては1センチほどの段差を越えるだけでも力が必要で、街を一周すると、翌日は筋肉痛になりそうなほどでした。
普段何気なく歩いている街のなかに、これほど多くの小さな段差や傾きがあったのかと実感しました。
インターンを通して得られたことは何ですか?
一番大きかったのは、まず一歩踏み出すことの大切さです。私の大学にはデザイン系のゼミはありますが、インクルーシブデザインの現場に関われる機会はありません。
実際にインターンに参加してみなければ、分からなかったことがたくさんありました。実証実験では、現場まで新幹線などで片道5時間ほどかかりました。それでも、せっかくの機会だからと挑戦したことで、リードユーザーの方とも親しくなることができました。
インターンでの経験は、卒業研究にもつながっています。ライブやコンサートを、より多くの人が楽しめるものにするにはどうすればよいかを考えるなかで、例えば、アーティストの衣装を展示し、視覚障害のある方が実際に触れて楽しめるようにするアイデアも生まれました。
インターンで関わったリードユーザーの方にお話を聞く機会もあり、参加したからこそ、このテーマに取り組めたと感じています。

PLAYWORKSはどんな会社ですか?
障害のあるリードユーザーを、一緒にものづくりをするパートナーとして捉えている会社だと感じます。障害があることを理由に特別扱いするのではなく、対等な仲間として向き合う姿勢が、活動のなかで伝わってきます。
参加する前の私は、インクルーシブデザインについてほとんど知りませんでした。ユニバーサルデザインのイメージが強く、企業が障害のある方に向けて、使いやすいものをつくることだと思っていたんです。でも、実際の活動に参加してみると、障害のある方も私たちも、一緒に意見を出し合いながら、ものづくりを進めていくことなのだと分かりました。
誰かが誰かのために一方的につくるのではなく、さまざまな立場の人が集まり、お互いに意見を出し合いながら、新しいものを生み出していく。こうした、ともに考え、ともにつくる姿勢もPLAYWORKSならではだと思います。
これから挑戦したいことは何ですか?
春から、調剤薬局で働く予定です。インクルーシブデザインが仕事に直接関わるわけではありませんが、インターンで身につけた「相手の視点に立って考える」姿勢は、社会に出るうえでも欠かせないものだと感じています。
地域のかかりつけ薬局には、同じ地域の方が繰り返し訪れます。子どもから高齢の方まで、さまざまな年代の方が来られますし、視覚や聴覚に障害のある方もいらっしゃると思います。
リードユーザーの方に同行した経験を生かし、一人ひとりがどのような状況にいるのかを考えながら、相手に寄り添える社会人になりたいです。
未来のPLAYWORKSインターン生にメッセージをお願いします!
インターンでは、大学の授業だけではなかなか経験できない、実際に世の中へものを送り出していく現場に関われます。社会に出てからでないと経験できないようなことを、学生のうちから体験できるのが魅力です。
最初は「自分にできるだろうか」と不安になったり、分からないことが多かったりすると思います。でも、経験を重ねるうちに知識も増えていきますし、ほかのインターン生やタキザワさんも、いろいろと教えてくれます。
私自身、インクルーシブデザインについてほとんど知らない状態で応募しました。就職活動との両立にも不安がありましたが、今では参加してよかったと感じています。
少しでも気になっているなら、まずは一歩を踏み出してみてください。
PLAYWORKS INTERN INTERVIEW 14|佐藤 侑次郎

https://playworks-inclusivedesign.com/column/column-15714/