RESEARCH|視覚障害者対象「歩行支援・避難所・選挙投票所」に関するアンケート結果

RESEARCH 視覚障害者対象 「歩行支援・避難所・選挙投票所」に関するアンケート

PLAYWORKS株式会社と錦城護謨株式会社が視覚障害者を対象に実施した、「歩行支援・避難所・選挙投票所」に関するアンケート結果を公開します。アンケートにご協力いただいた皆さん、ありがとうございました。いただいた回答やご意見は、今後の製品開発に活かさせて頂きます。

視覚障害者対象「歩行支援・避難所・選挙投票所」に関するアンケート

実施期間:2025年9月2日〜15日
実施方法:インターネット
回答数:100名
視覚障害等級:1級 54名 / 2級 36名 / 3級 2名 / 4級 4名 / その他 4名
年代:10代 4名 / 20代 15名 / 30代 12名 / 40代 20名 / 50代 30名 / 60代 15名 / 70代 3名 / 未回答 1名
性別:女性 49名 / 男性 47名 / 未回答 2名 / その他 2名

設問
❶「歩行支援具」について
❷ 視覚障害者歩行テープ「ココテープ」について
❸ 災害時の避難所について
❹ 選挙の投票所について 

※本アンケートの内容を転載・使用する場合は、事前に CONTACT よりご連絡ください。

   

視覚障害者歩行テープ「ココテープ」

「ココテープ」は点字ブロックの代替として使用できる屋内専用テープです。幅48mmの黄色いテープの両側面に、高さ6mmの三角形の突起があり、裏面の両面テープで設置します。柔らかな塩化ビニル製で、白杖や足裏で触れた時に床面との質感の違いや突起から、存在や方向性が感じ取れ、歩行時のガイドになります。動線を示すロールタイプと、目印として使用するバータイプの2種類があり、どちらも携帯しやすく、ニーズや状況に合わせて自由にカスタマイズして使用できます。自宅や会社だけでなく、新幹線やホテル、スタジアムや展覧会など、視覚障害者が行きたい所へお出かけできる社会を実現します。

https://coco-tape.jp/

 

 


 

❶「歩行支援具」について

歩行時に使用している支援具やアプリ、サービス(複数選択可)

歩行時に使用している支援具やアプリ、サービスの棒グラフ
  • 白杖 84%
  • 点字ブロック 81%
  • 音響信号機 65%
  • 同行援護・ガイドヘルパー 59%
  • アプリ・サービス(EyeNavi・アイコサポート・あしらせなど) 59%
  • 触地図 12%
  • 盲導犬 9%

歩行時に使用している支援具やアプリ、サービスについて課題や要望

白杖

  • スライドテクニックで使用していると、歩行者に気づかれず、ぶつかってしまう。歩行者の方に気づいていただける方法が課題。
  • 手がふさがってしまい、雨の日は特につらい。
  • 白杖のゴムが突然切れること。
  • 折れた際の修理先が点字図書館しかなく受付時間が短い。修理の補助がない。
  • 福祉サービスを利用して白杖を購入する際、一度に1本のみと規定されていますが、用途による使い分け(室内外、直杖or折りたたみ等)や破損や紛失によるアクシデントに備えるためにも、2本まで認めて欲しい。
  • 結局のところ、自分の感覚を邪魔しない白杖がもっとも使い勝手が良いです。
  • 素材や太さ、形状などの種類は増えてきたがもう少し色やデザインなどをカスタマイズできると嬉しい。

点字ブロック

  • あると安心感が高いが、設置されていないことが多い。途中で途切れてしまう場合も多い。
  • 中小規模の建物内になると、点字ブロックが無いところが多く不便。
  • 地面の色と同じ色の点字ブロックの場合は、見つけにくいことがある。黒色のテープが外側に貼られている黄色の点字ブロックは、見えやすくとてもありがたい。
  • 点字ブロックは道の片側にしかないことが多いため、人の流れに逆行して進まなければならないこともあり、危ない。
  • 点字ブロックの上の自転車や置物、立ち話をされている方にぶつかってしまう。
  • 道路でも、点字ブロックは全てに敷かれているわけではなく、必要があるのにそもそもない場所や、傷んで用途を成さない状態でも敷き替えられていない場所が多くある。
  • 点字ブロックは、全国共通の敷設ルールを決めて、途切れることなく目的地まで敷いて欲しい。

音響信号機

  • 実際には設置されていないことが多く、あったらラッキー。
  • 音響信号をもっと増やして欲しい
  • 音響信号機は、設置場所、稼働時間が不明瞭。
  • 夜間に音声信号が停められてしまう。
  • 難聴で音が聞こえにくいことがあるため、振動もついていると嬉しい。

同行援護・ガイドヘルパー

  • 直近の予定には対応できず気軽に使えない。
  • ガイドヘルパーさんが少なく、事業所を探すのが大変。
  • 必ずコミュニケーションが必要なので、1人で行きたい時は難しい。
  • 就労にも使えるようになってほしい。

アプリ・サービス(EyeNavi・アイコサポート・あしらせなど)

  • アプリを操作しながら歩いたり音声を聞き取りながら歩くので、歩行が散漫になってしまうことがある。
  • 雨の日は傘と、スマホと白杖を持ちながらの歩行が困難と感じることがあります。また、イヤホンを使用するのも恐怖心があります。
  • 屋外のガイドアプリは充実してきており、便利になったが、屋内の移動(大型商業施設の中など)では頼れるものが少ない。
  • アプリを使うとバッテリーの消耗が激しすぎることが、困ります。
  • 障害物検知・段差検知・屋内ナビなどがまだ不十分。
  • ナビアプリを使用しながらな歩行はバッテリーの消費や歩行能力、周囲の環境関知能力が散漫になるなど使い方の指導が必要な気がします。
  • 「アイナビ」は障害物の距離がわからない。「あしらせ」は右左折するタイミングがわからない。「アイコサポート」は利用時間帯が決まっている。
  • アプリを使用して歩行することがあるが、歩きスマホになってしまうのじゃないかと不安。

触地図

  • 触地図に慣れていないので、初めての場所、特に駅やトイレなどでは活用しにくい。

盲導犬

  • 入店拒否や嫌がらせが多くてしんどい。

 

 


 

❷ 視覚障害者歩行テープ「ココテープ」について

「ココテープ」を知っていましたか?

  • よく知っている 20%
  • 知っている 40%
  • 聞いたことがある 20%
  • はじめて聞いた 20%  

「ココテープ」から連想されるキーワードや単語

「ココテープ」から連想されるキーワードや単語の棒グラフ

1. 便利(29)
2. 手軽・簡単(26)
3. 汎用的(15)
4. 安心・安全(10)
4. 革新的・画期的(10)
6. 仮設(6)
7. 自立(5)
7. 携帯性(5)
9. 安い(4)
10. 助かる(3)

「ココテープ」を使用・体験したことはありますか?(複数選択可)

  • 使用したことがある 14%
  • 体験したことがある 27%
  • 体験したことがない 59%

今後、「ココテープ」を使用したいですか?

  • ぜひ利用したい 36%
  • 機会があれば使用してみたい 47%
  • まだわからない 13%

「ココテープ」を利用したい場所

「ココテープ」を利用したい場所の棒グラフ

1. ホテル・宿泊施設(28)
2. トイレ・洗面所(21)
3. 職場・オフィス(12)
3. 自分用の目印(12)
3. イベント会場(12)
6. 商業施設・店舗(8)
7. 自宅(7)
7. 新幹線(7)
9. 出入口(6)
10. 階段・段差(5)
11. ステージ・ライブ会場(4)
12. 病院・クリニック(3)
12. スポーツ会場・観戦(3)
14. 駅のホーム(2)
14. 集合住宅の共用部(2)
14. 学校(2)
17. 空港(1)

 

  


 

❸ 災害時の避難所について

避難所において、視覚障害者はどのような困りごとや課題がありますか?

避難所において、視覚障害者はどのような困りごとや課題がありますか?の棒グラフ

1. 移動が困難(71)
 トイレ・洗面所への移動(43)避難所内の移動(28)
2. 場所・動線の把握(31)
 物資・食料配布場所の把握(18)出入口・移動経路の把握(8)段差・障害物の把握(5)
3. プライバシーのあるスペースの確保(14)
4. 人的支援の不足(10)
5. 掲示物・案内表示の情報取得(8)
6. 心理的不安・ストレス(7)
7. 状況の把握(4)

避難所に「ココテープ」を導入して欲しいですか?

  • 導入して欲しい 70%
  • まだわからない 28%
  • 導入しなくてよい 1%

避難所に「ココテープ」を導入して欲しい理由

  • 避難所では物の位置や構造を覚えるのが難しいですが、ココテープがあれば必要な場所へのルートが確認しやすくなります。簡単に設置できて状況に応じて変更できる点も大きな魅力です。
  • 災害時は周囲のサポートを得ることが難しいです。ココテープでトイレなど最低限の移動を一人でできるようになるのは、とてもありがたいです。
  • ココテープはコンパクトで、すぐに貼って使える点が便利です。避難所での移動が少しでも楽になることを期待しています。
  • 慣れない環境の避難所でも、ココテープがあればストレスが減り、安心して生活ができると思います。

避難所における「ココテープ」の利用方法 

避難所における「ココテープ」の利用方法 の棒グラフ

1. 移動動線の表示(79)
 トイレ・洗面所への動線(38)・避難所内の動線(19)
 自分のスペースへの動線(17)・物資・食料配布場所への動線(5)
2. 目印・ゾーニング(11) 

 

 


 

❹ 選挙の投票所について 

選挙投票所において、視覚障害者はどのような困りごとや課題がありますか?

選挙投票所において、視覚障害者はどのような困りごとや課題がありますか?の棒グラフ

1. 動線・場所の把握(41)
 記載台・投票箱の場所が分からない(18)入口・動線が分からない(15)受付・順路が不明(8)
2. 投票用紙の記入(37)
 投票用紙の記入(20)点字投票・代筆の依頼(17)
3. 掲示物・案内表示の情報取得(17)
3. 係員の対応・人的支援の依存(17)
5. 投票所までのアクセス(11)
6. 状況の把握(4)
6. 音声案内の不足(4)
8. 名簿確認が難しい(3)

選挙投票所に「ココテープ」を導入して欲しいですか?

  • 導入して欲しい 49%
  • まだわからない 36%
  • 導入しなくてよい 15%

避難所に「ココテープ」を導入して欲しい理由

  • 弱視で単独で歩く人には、目印として有効だと思う。
  • 手引きをお願いするにしても、一人でやれることは自分でやりたい。
  • ココテープを動線として付けてもらえると、一人でも投票ができそうな気がする。
  • ココテープを導入していただければ、係の方に誘導してもらうことなく、自分で、記入場所から投票箱まで移動できると思います。
  • 手引きに慣れていない方が多いため、自分の足でも確認できるのはすごく助かります。
  • 近くの投票所は床の白いテープが見にくく、ココテープの方が見やすい。
  • ココテープが導入されることによって、選挙管理委員会だけではなく、投票に来た人も、視覚障害者への理解が広まるという期待がある。

選挙投票所における「ココテープ」の利用方法

選挙投票所における「ココテープ」の利用方法 の棒グラフ

1. 目印・ゾーニング(28)
 記載台・投票箱の目印(15)・入口の目印(12)・待機列の目印(1)・エリアの区分け(1)
2. 移動動線の表示(24)
 動線の表示(17)・受付までの動線 (7)

 

 


 

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